合成シリカアルミナ吸着剤 「ニッカゲルS」
活性白土の吸着作用は、粘土鉱物の構造に基づく表面の特性、化学的特性により、油脂類の着色物質及び溶存物質を除去し、油脂精製工程に不可欠です。しかし、油脂製品の精製度の向上、特殊な油脂類の精製などに対しては、活性白土処理に加えて、新たな工程を必要とすることがあります。
ニッカゲルSは、特殊珪酸アルミニウムゲル構造に基づく、「活性白土に近い化学吸着性」、「活性白土にはみられない物理吸着性」を備えており、活性白土と混用、又は併用することにより、高度の精製度を期待し得る吸着剤です。
ニッカゲルSの諸特性
- 一般性状
白色微粉末 200メッシュ通過率80%以上
pH7~8
付着水分5%以下 - 化学組成(%)
SiO2 75.7 Al2O3 12.8 Fe2O3 0.6 Na2O 3.9 灼熱減量 6.9 計99.9 - 物理特性
比表面積 220 ㎡/g
気孔容量 0.40 ml/g
見かけ比重 0.37 g/ml
ニッカゲルSの応用
ニッカゲルSは、油脂中の微量の有機酸、タンパク質、ステロイドの除去に最も効果的です。
蛋白質、ステロイドなど高分子の不鹸化物の存在は、油脂の品質に微妙な影響を与えます。油脂の原料、精製履歴によっては、通常の精製工程のみでは精製油のにごりの発生、経日劣化などを引き起こし、品質を著しく損なうことがあります。
ニッカゲルSは、活性白土と同様な吸着操作により、このような問題を解決いたします。
ニッカゲルSの利用例
油剤: ヒマシ油材
吸着剤処理: 110℃×20分
ヒマシ油のステリンに基く白濁の除去
吸着剤使用率 白濁発生
活性白土 ニッカゲルS 精製直後 30日後
5% 0 - +
4% 0 - ++
3% 0 + +++
2% 0 ++ +++
2% 0.1% - +
2% 0.2% - -
2% 0.4% - -
吸着剤使用率
白濁発生
ニッカゲルSの使用
活性白土との混合、併用は、従来の活性白土処理と同じ工程で使用いたします。
- 混合の場合:活性白土と同時に添加し、通常の白土処理工程を行います。
- 併用の場合:活性白土処理後の使用が有効です。
この際、活性白土は濾過せずにニッカゲルSを添加して差し支えありません。
ニッカゲルSの混用、併用は、濾過工程などに影響を与えません。
包装
包装形態 容量
防湿紙入り紙袋 10kg詰
保管
貯蔵中の変質はございませんが、開封後は吸湿を防ぐよう保管願います。