ナノコンポジット Nanocomposite
概要
モンモリロナイト結晶は、ナノサイズの層状構造を有する無機化合物であることから、有機化したベントナイトを各種樹脂中でナノレベルまで剥離し分散させたナノコンポジット材料として注目を浴びております。
有機ベントナイトによるナノコンポジット樹脂は、次のような優れた機能を有します。
軽量化
有機ベントナイト3~5wt%の添加により、従来用いられているカオリン、シリカ、タルクのような補強材20~60wt%添加と比較して同等の弾性率、引張強度を示し軽量化となる。
バリヤ性
結晶粒子径が板状ナノ粒子サイズであり、高アスペクト比を有することから、水分、溶媒、薬品などの蒸気、酸素、臭気などのガスにおけるガスバリア性が向上する。
寸法安定性
熱膨張係数が劇的に減少し、寸法安定性が向上する。
熱変形温度
数%の添加により樹脂の軟化し始める温度が上昇する。
難燃性
最高熱放出速度が減少、発煙の減少、不燃皮膜である炭素質形成の増加により難燃性が向上する。
染色性
コロイド的な性質や大きな表面積、高い吸着性により有機ベントナイトが樹脂中における染料の吸着サイトとして作用するため、樹脂を染色することができる。
平滑性
従来の補強材よりも粒子径が小さいため、樹脂表面の平滑性が向上し、塗装製品の外観が向上する。
固着抑制
ナノコンポジットフィルム同士の固着性を抑止・防止することができる。
有機ベントナイトをナノコンポジット材料として上記の機能を発揮させるために、有機ベントナイト結晶端面へ修飾する化合物の選択、樹脂の変性処理、樹脂との溶融混練条件の確立等がポイントになります。溶融温度の高い樹脂では、耐熱性を付与した有機ベントナイトが必要です。
有機ベントナイトを機能性フィラー材として、その能力を十分に発揮するためには、樹脂中で有機ベントナイトの層状構造を、いかにナノレベルまで剥離分散させることができるかが重要となります。溶融混練条件に重要なファクターとしては、2軸押出機、スクリュー形状、高いスクリュー回転、溶融温度、溶融時間、適度の滞留時間、などの要素がございます。
樹脂別適合商品表
PVAL | Nylon | PET | PBT | Epoxy | PVC | PC | PS | ABS | PE | PP | |
ベンゲルA | ○ | ||||||||||
エスベン NO12S/E オルガナイトT |
○ | ○ | ○ | ||||||||
エスベン/ NO12/NEZ |
△ | ○ | ○ | ○ | |||||||
オルガナイトD/ エスベンC/NE |
△ | ○ | ○ | ○ | |||||||
エスベンW | △ | ○ | ○ | ○ | |||||||
エスベン NZ/NZ270 |
△ | ○ | ○ | ○ | |||||||
エスベンWX | △ | ○ | ○ | ○ | |||||||
エスベン N400/NX/NX80 |
△ | ○ | ○ | ○ | ○ |